京都大学と共同で“イヤカフ型ウェアラブルデバイス”の特許を出願

装着感を意識させず、呼吸数・心拍数・血圧等と全身の動きを検出できるイヤカフ型デバイスのコンセプトを開発

“後世に引き継げるモアサナイトハイジュエリー”をコンセプトに、今年ブランド創業8周年を迎えた株式会社Brillar(以下 ブリジャール)は、国立大学法人京都大学(以下 京都大学)と共同で、レーダーセンサーを内蔵したイヤカフ型ウェアラブルデバイスに関する特許を日本国内で出願いたしました。

本発明は、京都大学 大学院工学研究科 電気工学専攻 阪本 卓也 教授の研究グループが培ってきたレーダー・センシングおよび信号処理技術と、ブリジャールがこれまでジュエリーブランドとして蓄積してきた装着性・デザインに関する知見を融合したものです。

耳に装着するイヤカフ形状のデバイスに各種センサおよびレーダーを搭載することで、高い装着性と日常利用性を両立しながら、呼吸数・心拍数・血圧等の生体情報と、頭部を含む全身運動を検出することを可能にすることを目指しています。

特許出願の概要

【出願人】
 ・株式会社Brillar
 ・国立大学法人京都大学

【出願日】
 ・2025年11月7日

【発明者】
・株式会社Brillar 代表取締役 小原 亦聡

・株式会社Brillar 最高財務責任者 小原 慎也

・阪本 卓也(京都大学 大学院工学研究科 電気工学専攻 システム創成論分野 教授)

【出願内容の概要】
 センサーおよびレーダーを内蔵したイヤカフ型ウェアラブルデバイスにより、耳から生体情報および動きを検知する技術。

  • 耳に装着するイヤカフ形状の外装に、レーダーセンサーおよび各種センサーを内蔵

  • 装着者の呼吸数・心拍数・血圧等のバイタルサインを推定

  • 頭部の動きから全身運動を検出

  • 装着者の顔の動きや顔前面での手の動きを検出

指輪型デバイスと比べて装着を自覚しにくく、また腕ではなく頭部に近い位置に装着することで、頭部を含む全身の動きをより高精度に捉えることを狙った構成となっています。

株式会社Brillar 代表取締役 小原 亦聡(左)/京都大学 阪本 卓也 教授
京都大学 桂キャンパス 阪本研究室にて

開発の背景:日常に“溶け込む”ウェルネスジュエリー®︎を目指して

近年、スマートウォッチやスマートリング等のウェアラブルデバイスが広く普及し、日常的なヘルスケアの一助として活用されるようになりました。一方で、 

  • 長時間装着した際の違和感や圧迫感

  • フォーマルな場やジュエリーとの重ね付け時の「見た目のちぐはぐさ」

  • 装い全体との相性

といった理由から、「健康のために使いたいが、身につけ続けることにストレスを感じる」という声も聞かれます。

ブリジャールはジュエリーブランドとして、これまで「日常の装いに自然に溶け込み、長く身につけてもらえるデザイン」を追求してきました。その強みを活かし、“ジュエリーのように身につけられるウェルネスジュエリー®”の実現を目指して研究開発を進めています。

今回の共同特許出願はその取り組みの一環であり、

  • 京都大学 阪本研究室が有する、レーダーによる非接触バイタルサイン計測・人体センシング技術および高精度信号処理技術

  • ブリジャールの、ジュエリーとして自然に身につけられる装着性・デザインに関する知見

を組み合わせることで、「装着感を意識させないこと」と「高度なセンシング機能」の両立を目指した点に特徴があります。

想定される活用シーン

本技術を基盤としたイヤカフ型デバイスは、今後以下のような用途での活用が期待されます。

  • 日常生活の中での呼吸・心拍・血圧等の連続的なモニタリング

  • 睡眠中の状態把握や、睡眠の質向上を目指したセルフケア

  • 高齢者の転倒リスクやふらつきの検知・見守りサービスとの連携

耳元のジュエリーとして違和感なく身につけられることで、「必要なときだけ着けるウェアラブルデバイス」ではなく、「日々の装いの一部として自然に使い続けられるウェアラブルデバイス」を目指しています。

今後の展開

ブリジャールは本特許出願を起点として、

  • イヤカフ型ウェアラブルデバイスの製品化・サービス化に向けた検討

  • 実証実験・ユーザーテストを通じた装着性・デザイン・アルゴリズムのブラッシュアップ

  • 医療・ヘルスケア・介護・フィットネス等、さまざまな領域との連携可能性の探索

を進めてまいります。

ジュエリーとテクノロジーを融合した新しいカテゴリー「ウェルネスジュエリー®」の創出を目指し、京都大学 阪本研究室との共同研究を通じて、日常に溶け込むヘルスケア体験の実現に挑戦していきます。

本特許の意義

京都大学 大学院工学研究科 教授 阪本 卓也(さかもと たくや)氏より本特許の意義についてコメントをいただきました。

『イヤカフなどのアクセサリーは、身につける人の感性をさりげなく映し出す存在です。その自然な装着形態にセンシング技術が融合することで、生活の中で生まれる心のゆらぎや内面の変化を、やさしく見つめる新しい体験が形になりつつあります。アクセサリーが持つ自分らしさと、内面を感じる技術が一つになることで、これまでにない価値が生まれてくると考えています。』

京都大学 阪本 卓也 教授・阪本研究室について

京都大学 大学院工学研究科 電気工学専攻 システム創成論分野 阪本研究室(担当教員:阪本 卓也 教授)は、レーダーを用いたワイヤレス人体センシング技術の研究を行っています。

ミリ波レーダーなどを使って、非接触で呼吸・心拍・血圧などのバイタルサインを高精度に計測する技術、ならびに人体の位置・姿勢・行動などを推定する信号処理・システム理論に基づく手法の研究開発を推進しており、電波による新しいヘルスケア・見守り・安全安心システムへの応用が期待されています。

※「ウェルネスジュエリー」は、Brillarの登録商標です。